「質問通告」について(序)

 ツイッターやインスタの時代に、ゆるゆるとブログでも書き始めようか、さて何から書いたものやら、とこれまたゆるゆる考えているところに、国民民主党森ゆうこ参議院議員の質問通告遅延が世上の話題となり、肌身にしみて経験してきた一人として、心穏やかではいられなくなってしまいました。

 ということで、この話題から始めましょう。

 この問題の簡単な経緯は、こんな感じです。台風19号上陸前夜の10月11日(金)から翌12日(土)未明にかけてのこと…

① 森議員、11日16時08分に参院予算委員部に質問項目名のみの暫定版を提出。政府への伝達は不可とされ、全省庁が待機。
② 22時に全体要旨(問合せ不可)が送付される。そこから五月雨式に通告が行われ、最終的に確定したのが翌12日0時25分。

 ここで膨大な数の職員が、雨風の中、帰途につくことになります。

 そして、質問が当たった部局の担当者は0時25分が新たな始業時刻です(涙)。委員会が月曜だからちょっと一日休憩とはいきません(特に総理答弁)。作業は翌朝にまで及んだことでしょう。

 興味深いのは、この森議員の質問通告の遅延問題については、行政官経験者が政治的な立場を超えて批判的であるということです。旧民主キラーの足立康史議員(維新)はいいとして(笑、リンク・引用省略)、鳩山内閣官房副長官であった松井孝治氏、さらにイラク戦争の際、小泉内閣を批判して外務省(駐レバノン大使)を退官し、一貫して自民党政権を批判し続けている天木直人氏(新党憲法9条代表)に至っては、次のように述べておられます

 私も外務官僚時代に経験がある。

 野党議員の中には、質問通告をわざと送らせて官僚たちを困らせる議員がいた。

 野党嫌いの官僚だけでなく、私のように野党に理解のある官僚さえも、腹が立つほどだ。

 いっそ質問の事前通告制度など廃止して、大臣と野党のぶっつけ本番の質疑応答をしてくれたほうがよほど楽だ、そしてそのほうが真剣な議論が出来る、と思ったものだ。

 しかし、それでは大臣は困るし、野党議員は、大臣が「知らない」、「答えられない」を連発すれば追及が進まないから、質問の事前通告制度はなくならない。

 だったら野党は官僚たちの事を思って質問は出来るだけはやく作って教えるべきなのだ。

 森裕子議員はそうしない意地悪議員のひとりに違いない。

 私は、質問通告の遅れを官僚たちに文句を言われたため、それから目をそらせるために、質問通告が事前に流出した事を騒ぎたてていると思えて仕方がない。                                             https://blogos.com/article/411707/

 

   あの大変さを身体で知っている者は、政治信条や立場ににかかわらず、単純な倫理の問題=人に意地悪をしてはいけないという点で、この問題に反応してしまうのだと思います。それゆえ、実に国民民主党の代表たる玉木雄一郎議員(元財務省)までもが、(立場上、控えめながらも)こう言っているのです。

事実であれば、大型の台風が接近している中問題であり、党の代表してお詫び申し上げます。https://twitter.com/tamakiyuichiro/status/1182770338268008448

 誠実なお人柄に敬意を表します。

 次回は、一般の人々には馴れ合いのようにも見えるかもしれない質問通告がどうして必要なのか、書いてみたいと思います。いつになるかわからないけど(笑)